航空大学校合格講座

エアラインパイロットになるために

 エアライン・パイロットになるには、大きく分けて以下にあげる航大ルート、あるいは自社養成ルートの2つがあるが、最近では「一般募集」という形で、すでにライセンスを持っている人を対象にした採用形態も出てきた。これはスカイマークやJ-AIRなどで行われている新しい採用方法で、パイロット経験者もしくは航空大学校卒業と同等のライセンス保持者をパイロット要員として採用するものである。
 しかし、ここでは最もポピュラーなコースとして、航大ルートと自社養成ルートについて述べたい。

航空大学受験

1.航大(航空大学校)に入るには
航大とは「パイロットの養成機関」(独立行政法人)である。2年間の研修後、パイロットとして国内の航空会社に就職することができる。本校は宮崎だが、帯広分校や仙台分校にも移動して訓練を受ける。

 航空大学校の学生募集は1年に1回行われる。募集では1次~3次までの試験が行われ、最終的に108名が入学できる。  1次試験では筆記試験が行われ、英語や数学、物理などが出題される。2次試験では身体検査が行われ、3次試験では面接と飛行適性検査が行われる。  ここ数年は航空大学校を受験する人が増えているため、受験倍率は上昇している。複数回受験して合格する人も多くなっているため、受験に際しては入念な準備が必要である。

【受験資格概要】(2024年に受験する人を対象とする)
2000年4月2日から2005年4月1日までに出生の者で、次のいずれかに該当する者。
学歴・年齢―大学2年以上に在学し全習得単位数が62単位以上の者。または短大・高等専門学校を卒業した者。専門学校修了者に対する専門士の称号を付与された者
●身長/158cm以上
(注)上記受験資格は令和6年度募集要項に準じた。

【試験内容】(2023年実施の内容)
●1次試験/英語(リスニング・筆記)、総合
●2次試験/航空身体検査・心理適性検査
●3次試験/面接・操縦適性検査
(注)過去に第2次試験(身体検査B)を受験し不合格となった者は、再受験をすることができない。

実施年度 出願者数 一次合格者 二次合格者 最終合格者
2018年 968 350 158 108
2019年 945 350 163 108
2020年 1115 250 160 108
2021年 1220 300 156 108
2022年 1117 300 159 108

自社養成受験

2.自社養成で航空会社に入るには
自社養成とは、定期便を運航する航空会社自らがパイロット要員を募集し、自社でパイロットとして訓練・養成する方法である。合格者は社員として入社するので、訓練中も給料をもらえるという点で、授業料を払う航大と異なる。

【受験資格概要】(JALの場合:2024年に受験する者を対象とする)
●学歴―新卒(1)2024年4月~2025年3月までの間に4年制大学または大学院(修士課程)を卒業・修了見込み
(2)2022年4月から2024年3月までの間に4年制大学または大学院(修士課程)を卒業・修了していること
※日本をはじめ各国で発行した事業用操縦士免許を有する者は応募できない。
●身体的条件
(1) 各眼の矯正視力が1.0以上(裸眼視力の条件はない)
(2) 各眼の屈折率が-6.0~+2.0ジオプトリー内であること(オルソケラトラジーを受けていないこと)
(注)上記受験資格は2023年に実施された採用試験の募集要項を参考にした。
(注)自社養成の場合、受験資格や身体条件に各社微妙に違いがあるので、各々の航空会社に直接問い合わせてほしい。

【試験内容】(JALの場合)
●書類選考―エントリーシート
●1次試験―テストセンター・心理適性検査
●2次試験―1次面接
●3次試験―2次面接
●4次試験―英会話試験
●5次試験―飛行適性検査
●6次試験―航空身体検査
●7次試験―最終面接

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